2日目の朝

タケです。

 

少し体調崩していましたが、回復基調なのでブログ復活です。

体調崩した際、その体調の悪さを押して病院にまで行く必要がないのが

入院中の良さですかね。

 

さて、1日目の夜は、始めのころは少し寝て目覚めて、また、ぼぉ~っとして

を繰り返しているうちに、少し長めの睡眠に入ったようです。

気が付くと、朝の光がどこからか入ってきていました。

2日目の朝、息がまだ出来ていることを感じて、少しホッとします。

 

救急車で運び込まれたときに、今日中に人工呼吸器をつけることになることを了承してくれと言われていましたが、乗り越えられたんだと。

 

採血や血糖値、酸素の値を測ります。

 

酸素の値と書きましたが、ピンとこない方のために。

たまに内科などに行った時に、指を赤い光の出る装置で挟んで、96~99くらいの100に近い値が出る様なことをした経験がある方もいるかと思います。

あれをパルスオキシメーターと言うらしく、動脈酸素飽和度と脈拍数を測定する機器です。

心臓から全身に運ばれていく血液(動脈血)の赤血球の中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているのかを調べた値が、動脈酸素飽和度、いわゆる「酸素の値」です。

 

看護師さんの中には、「99点ですね」とか点数の様に言う人もいます。

この値が90%より低いと、全身に酸素が十分送れなくなっている状態とのこと。 

 

採血は、既に動脈に挿さっている管、Aラインから行います。

昔、幼稚園の時に入院していた時に、毎日のように耳たぶを切られてそこから血を取られていた記憶が蘇ってきました。結構痛くて、毎日憂鬱になっていました。あれって、何をやっていたんだろう、とふと頭に浮かびました。

 

既に血管から管が飛び出している状態なので、血を取る時に針を刺す必要がありません。超便利。

 

一通り測った後は、しばらく何もすることがありません。

その後、またベッドの角度を変えてもらい、角煮まんじゅうの様な格好にしてもらって朝食を食べさせてもらい、そしてまたやることがなくなります。

ただただ周りをキョロキョロ。

と言っても、首を殆ど動かせないので、目だけでキョロキョロです。

 

なぜか、美空ひばりの曲が流れて来ました。

んっ、美空ひばりがBGM?

 

ここはBGMが流れるICUなのかと。

それにしても、選曲渋い。。

 

そのうち、浪曲の様なものも流れてきました。

んっ、んんん??

 

別の患者さんが流しているようです。

ここって、そういうの自由なの?っと思いましたが、曲が流れてきている方を見ると、意識があるのかさえ怪しいような患者さんに見えます。

あまり深く突っ込まない方が良いのではと勝手に忖度しました。

 

午後からは、昨日来れなかった両親が来てくれることになっていました。

 

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初めての夜

タケです。

 

指の痛みが取れないので、短めの記事を書いていきます。

 

入院一日目の夜です。

 

ナースステーションとの間を仕切るカーテンが全開のままなので、

ずっと、ナースステーションの様子が見えます。

その逆もしかりで、常にナースステーションからこちらも見えている状態。

 

目を少し閉じていたものの、何となく目を開けて、頭を少し動かしていると、看護師さんが近づいてきて、様子を伺ってきます。

 

ハイハイ、ちゃんと息してますよ、と看護師さんに目で語り掛けます。

油断も隙もありません。人口呼吸器をつけるタイミングを狙っているかの様(笑)

 

と構えていたら、ここで、看護師さんから、意外なお話が。

 

「晩御飯食べられますか?」

 

へ、、、そう言えば、今日何も食べてない。

いろいろあり過ぎたのか、点滴を打っているからなのか、ご飯のことを忘れていました。

 

「た、食べます。はい。」

 

すると、看護師さんが、ベッドの傾きを変えてくれて、上半身が垂直になります。

 

うっ、は、挟まる。ベッドに挟まれて苦しい。

ベッドの動きに合わせて体をずらすことが上手くできず、

気分は、、、

 

 角煮まんじゅう

 

そんな、角煮まんじゅうの角煮野郎に、看護師さんが、一口一口ご飯をすくって食べさせてくれます。

 

おお、これぞ白衣の天使的な、と少し鼻の下を伸ばしながら食べてみると、なんかシュワシュワしてる。

かまぼこと泡の中間の様なおかず。

嚥下食というやつです。

 

そして、飲み物がとろみのついたほうじ茶。

その名も、とろみほうじ茶。

お茶だと思って飲んだら、口の中がドロドロな感じに。

 

水の様なさらさらの液体は、意外と喉につっかかり、むせやすいのだとか。

いやいや、こっちの方がむせちゃうと言い張っていたら、笑いながら普通のほうじ茶に変えてくれました。

 

美味しいとは言えない夕食を終えると、今度は歯磨き。

これまた、看護師さんが、口の中を磨いてくれます。

 

「はい、口開けてください。」

といって、ブラシを口の中につっこみ、ゴシゴシ。シャカシャカ。

 

「はい、うがい。」

といって、紙コップの水をストローで吸って、差し出された器に、ペー。

 

気分は、おじいちゃん?それとも赤ちゃんですかね。

 

ICUも消灯となり、今度こそ、お休みです。

 

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真逆の意味を持つ言葉

タケです。

 

リハビリのためにタイピングしていたのですが、昨今文字数が多過ぎたからなのか、指が痛くなったため、少し指を休めろとのこと。

 

ということで、短い雑談です。

 

ちょっと前に、アジア大会でバスケの選手が日本代表のユニフォームのまま歓楽街に行き買春したのが見つかって、騒がれていました。

 

ところで、この「買春」、なんて読むかわかりますか?

 

正しくは、「ばいしゅん」ですが、「かいしゅん」とも読みますね。

 

どうも真逆?の意味の「売春」も「ばいしゅん」と読むので紛らわしい。

ということで、買春は「かいしゅん」と読むことになってきたのだとか。

 

ちなみに上を訓読み、下を音読みといった風に混在させた読み方を、湯桶(ゆとう)読みと言うそうです。

でも「売買春」は、「ばいかいしゅん」ではなく「ばいばいしゅん」ですね。

 

さて、この真逆の意味なのに音が一緒って紛らわしいなと思ったときに、思い当たったのが、英語のrent

 

(なに、この無理やりな展開)

 

rentの意味は、

 

賃借する

賃貸する

 

って、

音どころか字も同じくせに真逆の意味ってどいういうこと?って感じです。

 

例文

I rent this room from him.

私は、この部屋を彼から借りている

I rent this room to him.

私は、この部屋を彼に貸している

 

文脈によって、真逆になります。

このような言葉を、”Contronyms”というらしいです。

 

他にも、

 

consult

専門的アドバイスを求める

専門的アドバイスをする

 

dollop

沢山

少し

 

sanction

認める

制裁する

 

screen

隠す

見せる

 

seed

種をまく

種を取り除く

 

wind up

終わる

始める

 

って、どっちやねん!って突っ込みたくなる単語は沢山ある様です。

一つの意味しか知らなければ、ドはまりすることこの上なしですね。

 

今日、読んでいた文中に出てきた、”screen”の意味を調べていた時に思った次第です。

 

 

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ギラン・バレー発症の記憶9

タケです。

 

血漿交換の開始からです。

 

まずは、首から飛び出している管に、注射器の様なものをつなげて、血を抜き取ります。

そして、その血を布のようなものの上にちゅ~って出します。

って、何、そのちゅ~って。無駄遣い??僕の貴重な血を。

と言っても血漿交換は血液浄化法の一種。不浄の血ですけど。

ファンタジー好きには、敵味方区別なく襲い掛かる狂戦士的な血って言いましょうかね。

 

そのちゅ~儀式の後、機械から伸びている管に首の管をつなげます。

 

こんな体験二度とできない。記録に残すべし!!

 

っと思ったので、丁度、子供たちを一時的に看護師さんに預けてきた妻に、写真を撮ってくれるように頼んでみました。

 

しかし、却下。。。

不謹慎だとか言って、断られてしまいました。う~ん。

このことが、後日ちょっとした騒動?に繋がるのですが、それは後ほど。

 

妻は子供たちのところに戻っていき、グィーンといった鈍い音とともに、血液が首から機械に抜き出されます、そして血漿を取り出して代わりの何か(多分血漿アルブミン)を入れてまた首に戻っていきます。

 

何となく、体中の血流を機械で流されている様な感じがしました。

特に、末端の手や足の血の流れを感じました。

 

血漿交換は、2~3時間くらい。

その間、出来ることと言ったら、目を閉じるか開くことくらい。あと独り言。

手も足も動かず、首も動かせずなので、何も出来なかったのです。

何をするでもなくただ看護師さんたちを遠目に眺めてました。

時計も目に留まるところに無いため、時間すら分かりません。

 

そして、血漿交換が終わりました。

 

血漿交換のせいで血圧が下がったのでしょうか、それとも神経の損傷が進んだのでしょうか、体がだるく、力が入りません。意識も少し朦朧としていました。

 

そんな中、妻がまた戻ってきました。

ちょまが待っている間に看護婦さんと一緒に作ったという作品を持って。

 

赤い画用紙に、折り紙で折った兜などが貼ってあり、

「パパがんばって。パパだいじょうぶ。」

と息子の字で書かれていました。

 

息子よ、パパは頑張るぞ。絶対元気になるからな。

意識が朦朧としていたのを、繋ぎとめてくれました。

しっかりしなきゃ。

 

ちなみに、のんも同じように看護婦さんと一緒に何か作品を作っていたらしいです。パパを元気づけようねって。

ただ、どうも作っているうちに気に入ったらしく、持って帰ると言ったそうな。

 

。。。娘よ、当初の目的を見失っているぞ。

それは、パパのために、、、何も言うまい。

 

視界に時計がないため、時間が全く分かりませんでしたが、妻曰く、子供たちも病院に来て7時間ほど経っていて限界。

長崎から、お義母さんが文字通り飛んで来てくれたので、一緒に帰るとのこと。

 

お義母さん、バス飛行機電車と乗り継いで、遠いところに有難うございます。

朝、救急車で運ばれたのを妻が連絡したところ、早速来てくれるなんて有難すぎます。 

 

仕事をするつもりで、救急車に乗るときに、妻に念を押して荷物に入れてもらったパソコンを持って帰ってもらうことに。

 

ICUに来る前に、色々と検査されながら、どのくらいで治るものなのかを聞いてみたところ、1ヶ月の人もいれば、1年以上かかる人もいる。

会社には取り合えず、1ヶ月以上かかると伝えておきなさいとのことでした。

 

救急車に乗るときは、1週間くらいの入院をイメージして、

病院の中から仕事の調整をあれこれしなきゃ、と考えていました。

あれの代役立ててもらって、あれは少し待ってもらって、、、

 

しかし、1ヶ月以上と聞いて、頭が切り替わりました。

仕事のことは忘れよう。いなくなったと思ってもらうしかない。

 

また、大丈夫、治るよと何度も言われたことから、治らない場合があることも推し量られました。

 

妻が帰る前に、会社関係への連絡を頼みました。

今日はもう遅いから、今日ではなくてよいが、月曜日になる前に連絡しておいてほしいと伝えました。

 

連絡すべき相手と、それぞれへの内容と連絡手段を伝えます。

とある会社から別の会社に出向しているという特殊な状態であったので、出向先の会社と出向元の会社双方に連絡が必要です。

初めて話す相手ばかりな上に、しかも休日にいきなりの話題。

大変だとは思いましたが、こういう時に安心して任せられる妻でよかったと思いました。

 

妻が帰り、いよいよ、入院生活が始まったと感じました。

 

ナースステーションのド真ん前で、頭を少し上げた状態で寝ている僕ですが、

体が動かないので如何せん、何もすることが出来ません。

看護師さんたちは、こちらが呼ばなくても時々近づいてきては、のどに変な感じはないか、つばを飲み込みにくいとか、息をしにくいとかはないかと聞いてきます。

 

人工呼吸器をつけるべきかどうかを確認している様子。

心なしか呼吸は浅い気がしますが、悟られると、人工呼吸器をつけられるに違いありません。奴らはチャンスを狙っています(笑)

まぁ、実際まだ問題になるほどではない。

ただ、症状が進めば息が出来なくなるかもしれません。

明日の朝、どうなっているんだろう。

思ったより、冷静でいられるもんだなと思いました。

これって、昔スカイダイビングしたときの心境ににているかもと思ったりします。

 

体が動かない為、出来ることがない。

一人しりとりでも、と一瞬思った自分に笑いました。

 

朝からあったことを思い起こしながら、子供たち救急車楽しんだかなぁ、などと考えました。

救急車を呼ぶ前に準備を終わらせるように妻に指示したのは、我ながらナイスな判断だったとほくそ笑む。

ピンチの時には却って頭がクリアになるものかも知れません。

 

色々考えながら、少し休むことにしよう。

目が覚めた時にすぐに見えるようにメガネはかけたままで。

さて、その時に息が出来ているだろうか。。。

 

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7の法則を調べていたら、日本語の難しさに直面した話

タケです。

 

「7の法則」というのを聞いたことはあるでしょうか。

品質管理の「7の法則」を調べていたところ、他にもいろんな、「7の法則」がある様です。

 

いろんな「7の法則」

  

品質管理の「7の法則」

品質管理の考え方の一つで、7回連続で同じ結果が発生した場合には、何らかの原因があるという考え方です。

0.5の7乗は、0.0078125。約0.8%の確立で起こったことは偶然ではない。

例えば、本来50%の確率で出るはずのコインの表が7回連続で出れば、それはコイン自体や投げ方など何かに問題があるとして、コインを調べたり、投げ方を調べたりと原因究明して対処しようという考え方です。

何かの平均があったとすると、平均以上になる確率も以下になる確率も50%ですから、平均以下や以上が7回連続で発生したら、何かに問題がないか確認してみましょう。

 

会議の参加人数の「7の法則」

会議の参加者が7人を超えると、1人増えるごとに優れた判断を下せる可能性が10%減るというもの。17人を超えると意思決定の効果が0になるのだとか。

そして、会議はなるべく6人以下で行いましょうとのことです。

 

president.jp

 

ちなみに、AmazonのCEOジェフ・ベゾスチームは「2枚のピザで足りる人数」のサイズがよいとのこと。

ピザを食べながらのミーティング。2種類のピザを6枚切りにして用意しておくのが良さそうですね。

www.lifehacker.jp

  

ところで、会議の参加者の「7の法則」を読んでいて、何かが引っ掛かりました。

何か違和感がある。。。

 

ということで、とりあえず計算してみました。

7人を超えると判断力が10%減るとすると、

  1. 8人目から1人増えるたびに判断力が「7人までの判断力を1とした時に」10%マイナスされるとすると、17人目で0ですね。
  2. 8人目から1人増えるたびに判断力が「増える前の判断力を1とした時に」10%マイナスされるとすると、0.9倍されていき、29人目で0.1を割り込みます。

この記事では1.「7人までの判断力を1とした時に」という考え方を取っているようです。

なるほど、1人増えるごとに10%減るという時の、10%の解釈について2通り考え方があるってところに引っ掛かっていたのかな、と思ったら、もう一つの引っ掛かりポイントが見つかりました。

 

「7人を超える」と「17人を超える」の「超える」の意味です。

 

記事には、「7人を超える」と1人増えるたびに判断力10%低下と書いてあります。

ということは、8人目から0.9になる訳ですよね。

ところが、「17人を超える」と意思決定の効果が0と書いてあります。

先の様に、「7人までの判断力を1とした時に」10%低下するという前提で計算した場合、、、

 

8人目が0.9。

16人目は0.1。

17人目が0。

 

ここで改めて思った日本語難しさ。「超える」って難しいですよね。

7人を超えると何とかとするっていうときには、7人目を含むのか含まないのかって一瞬迷いませんか?

実は、「超える」は基準となる数字を含まないようです。

つまり、7人を超えるって言うときには8人目からを意味します。

そうすると、元記事の17人を超えると効果が0というのは実はおかしくて、

16人を超えると効果が0になるというのが正しいようですね。

 

あえて言えば、会議はなるべく6人以下 は 7人以下でよいのかもです。

日本語って結構あいまいに使っていることを改めて顧みた次第です。

 

 

核攻撃から身を守る「7の法則」

さて、一番大切そうな「7の法則」行ってみましょう。

核攻撃を受けた時の対応について、総務省消防庁の資料3ページ目の右下に下記の様な記載があります。

「7の法則」・・・残留放射線の累積線量は、7時間ごとに1/10ずつ減衰する。したがって、地下施設に2日間(49時間)退避することにより、放射線量が当初の数値から1/100に減衰する。

これは解釈が難しいです。

1)7時間ごとに最初を100とした場合に10になる。

  最初100 → 7時間後10 → 14時間後1

2)7時間ごとに最初を100とした場合に90になる。

  最初100 → 7時間後90 → 14時間後80

3)7時間ごとに0.9倍になる

  最初100 → 7時間後90 → 14時間後81

4)7時間ごとに0.1倍になる

  最初100 → 7時間後10 → 14時間後1

あたりが想像できますが、いずれの場合も、

49時間で100→1になりません。

 

放射線量は最初の7時間で1/10になり、かつ、時間が7倍経過するごとに放射線量が1/10になる

 

という場合には、下記が成り立ちます。

  最初100 → 7時間後10 → 49時間後1

綺麗に成り立ったように見えますが、最初の7時間と以降の放射線量の減り方が激変しているため、違和感アリアリです。

 

もしくは、そもそもの前提を変えてしまいかねませんが、「当初」という言葉が間違っていると考えてみて、

 

放射線量は、時間が7倍経過するごとに1/10になる為、最初から1時間後を基準にした場合、7時間後に1/10になり、49時間後に1/100になる

 

といった場合には、下記が成り立ちます。

  最初不明 → 1時間後100 → 7時間後10 → 49時間後1

 

これだと、放射線量の減り方に法則性がありますし、数字も成り立ちます。

きっと、総務省の資料は誤りなのではないでしょうか。

いずれにせよ、核攻撃を受けた場合は、2日間は屋内出来れば地下に隠れておくべし、ということでしょう。

 

これまで、いろいろな「7の法則」を見てきましたが、日本語の難しさを改めて痛感した次第です。

 

 

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ギラン・バレー発症の記憶8

タケです。

 

今日の病院での夕飯にスイカが出ました。

 

奇しくも、リハビリ中に「瓜田に履を納れず」という言葉を知ったその日に。

「李下に冠を正さず」とセットで、瓜田李下(かでんりか)」という言葉もあるんですね。

人に疑われるような言動は慎まなければならないということで、昨今の政治家や体育団体のみならず、気を付けていきたいものですね。

 

さて、集中治療室での処置、というより、今後の処置に向けた準備が終わると、

医師が看護師に指示を出していました。

 

これから運ばれていくのはICUIntensive Care Unit)日本語で集中治療室

あれっ、じゃあさっきまでいた場所は何???

改めて確認すると、ER(Emergency Room)日本語で救急救命室とでもいうのでしょうか。

 

いずれにせよ、運ばれていく先はICU

それもナースステーションの一番近くの場所。

ナースステーションの一番近くってどんな感じ?と思いながら聞き耳を立てる。

 

ベッドのままERから出ると、妻と子供たちが近づいて来ました。

おぉ、子供たち~と思ったのですが、首から出ている管が邪魔で、唯一動いていた首が自由に動かせず、上手く横を見れません。

 

進んでいくベッドの横を、子供たちが急ぎ足でついてくる。

ICUは子供の入室禁止らしく、ベッドに付いてきた3人とは入り口でお別れ。

ERを出てICUの入り口までは、ほんの少し。一瞬でした。

 

ここでお別れだよ、と言われ、ベッドの上の父を見ながら、子供たちは「ばいば~い」。

ちょまのん、君たちはこのバイバイの意味が分かっていっているのだろうか。

父は入院するのだ。

本当のバイバーイになったりしないよな。

次はいつ会えるのかな。

絶対帰ってくるからなと頭をかすめる。

 

殆どベッドから天井を見ながらの移動だったので、どこをどう進んでたどり着いたのかは正直よく分かりませんが、大きな部屋の中に入っていき、ベッドが設置されました。 

ICUの中は、一つの大きな病室の中にカーテンで間仕切られた各ベッドとナースステーションというか、看護師の机や備品が置かれた作業スペースがある感じでした。

間仕切られた個々の患者のスペースはベッド3台くらい入りそうなほど広いです。

中でも、僕のベッドが設置されたのは、そのナースステーションのド真ん前。

足をナースステーションに向ける形。

少しベッドの頭の方を起こしてくれたので、丁度、目線の先に看護師たちがいる形です。

向こうがこっちを観察しているのか、こっちが向こうを観察しているのかという感じで、常に目が合いそうです。

 

◇位置関係 

ナースステーション(沢山の看護師がワサワサ作業中)

計器のモニターや端末(たまに医者や看護師が近づいてモニター見てる)

カーテン(しかし開いてる)

ベッド(足の方)

ベッド(頭の方)

見えない世界(いろいろあるみたいだが、首が動かず姿勢も変えれないので見えない)

 

という感じです。 

 

ちなみに、看護師さんに用事がある場合は、通常、ナースコールというボタンがあり、これを押して知らせるものですが、如何せん、手が動かず、ボタンを押すことが出来ません。

その為、ボイスコールというものが頭の横に設置されました。

横からマイクの様なものが口元に伸びてきて、息を吹きかけると、ランプと音で呼んでますよ~と知らせるという代物です。

息で反応させるので、ブレスコールと呼ぶべきですが、看護師さんは皆、ボイスコールと呼んでいました。もちろん設定で声に反応させることも出来るようです。

 

このボイスコール、息を吹きかける角度と強さが難しく、何度もフーフー息を吹きかけても鳴らないときは鳴りません。

かと思えば、何気なくフッと息をついたり、くしゃみをしたりすると鳴ってしまい、「どうしました?」と看護師さんが近づいてきます。

 

とは言え、このボイスコールが何かあったときに助けを呼ぶ生命線です。

少し体の向きを変えてもらう度に、ボイスコールの位置や向きを変えてもらい、テストで息を吹きかけて、一度必ず鳴らせるかをしつこいくらい確かめさせてもらいました。

 

足元で計器を見ている看護師さんに医師が近づいて、何やら指示しています。

はっきりとは聞き取れませんでしたが、何とかの場合、人工呼吸器を躊躇せずに行くよ、といった指示の様でした。

 

さっきも、今日中に人工呼吸器をつける可能性があるが、承知してほしいとか言われたので、逆に人工呼吸器ってつけない方がいいのでは、とよく分からないながら、出来れば避けるべきものだと頭にインプットされました。

 

それもこれも、これから行う血漿交換の効き目次第。効かなければ、今晩中に呼吸が出来なくなり、人工呼吸器が取り付けられるのです。

 

医師たちが、首から出ている管に、何か機械をつなげ始めます。

いよいよ、血漿交換の開始です。

 

血漿交換

人の血液は、赤血球や白血球などのいわゆる「血球」とその他の「血漿」で成り立っています。そして、神経を攻撃していると思われる抗体は「血漿」に含まれます。

体から血液を抜き取り、「血漿」を取り除いて、健常な人から集めた「血漿(若しくはアルブミン)」を加えて体に戻すことで、血液を正常化するという方法です。

 

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ギラン・バレー発症の記憶7

タケです。

 

毎日ブログ更新をリハビリとして課していますが、未だルーチン化出来ていません。

まだ試行錯誤しています。

 

さて、治療方針も決まり、集中治療室?の様なところに運び込まれたところから、いよいよ治療が始まります。

 

首から下は殆ど動かせない僕の周りを医者と看護師が取り囲んでいます。

そして、そこからはされるがままです。

 

まずは、脳脊髄液の検査をするとのこと。

これを腰椎穿刺(ようついせんし)と呼ぶらしいです。

背骨の間に注射針を刺し、脳と脊髄を保護する髄膜という膜の中にある髄液を採取します。

ちなみに、脳脊髄液は髄液とも言いますが骨髄液とは全く別物。

 

なんてことは後で調べて理解することになります。

 

複数人で体を横に向けられて、背中を丸められます。

「もっと背中丸めて」と言われましても上手く動くことが出来ないので、数人がかりでエビの様な姿勢を作ってもらいました。

そして背中に、数回麻酔を打たれます。

 

なんかこれ、うわさに聞く背中から太い針刺される痛いやつじゃないの?

(この時点では、骨髄液と髄液の違いが正しく分かっておらず、似たものだと勘違いしていました)

 

そして、いよいよ髄液の穿刺が開始。

と思ったら、上手くいかないのか、何度も針を刺しては抜くを繰り返されます。

 

「もっと丸めてみる」だの言いながら体丸める担当が丸めてきます。

「誰が顔見てるの?」という声が飛ぶ。

どうも顔見る担当という仕事もあるらしいです。

辛そうな顔をしているかどうかを他の作業者に伝えるのがその役目の様子。

 

なかなかの分業体制だな、と感心しながらも、あまりにうまくいかない様子に、

大学病院だから若手に練習させてるんじゃないかと邪推。

横向きに寝ながら体を丸めている上に、それを複数人が覆いかぶさるように押さえることでその体制を維持してるのです。

そのため、背中で何が行われているのかは見えません。

 

何度も何度も針を刺されて、麻酔が効いていても全く痛くないわけではないし、針が背骨の隙間につっかえる感じは痛いというより苦しいです。

 

やる方もしびれを切らしたのか、針刺し担当が変わった様子。

 

その途端、

するっ、ズブズブ

っといった感じで針が背中の奥に入っていくのを感じました。

 

 「おおぉ~」「さすが!」といった声が上がります。

 

おいおい、始めからそうしてよ、と思いながら、漸く体を丸める担当たちから解放されました。

 

ここで、いったん体を起こされ、改めて周りを多くの医者や看護師に囲まれていることを認識します。

 

「どんな気分ですか?」と聞かれ、

「う~ん、なんか面白い状況ですね」と答えました。

「へ?」

「いや、ドラマかマンガの世界にいるみたいな。ちょっと楽しい」

「。。。これ、まぁまぁ重症なんですよ」と医者。

 

続いてまた、体を横にされて、穴の開いた大きな布を被せられます。

首に穴が来るようにして、処置を行うらしいです。

 

おぉ、これって、ドラマとかで見る手術のやつじゃない?

っと少しミーハーな気分になる。

周りをまた複数の医者と看護師が、がっと囲む。

救急救命のドラマのシーンでよく見るやつっと少し嬉しくなる。

 

どうやら、首の静脈にカテーテルを入れるらしいです。

そこから血を抜き出して、血漿を取り除き体に戻すのが血漿交換療法。

 

今度は首に麻酔を打たれます。

首に穴を開けられながら、

「これって、手術歴に入りますか?」と期待を込めて聞いたところ、、、

 

「大丈夫。入りません」(にっこり)

 

大丈夫じゃないぃぃぃぃ。

手術歴ゲットォ~と小躍りしかかった心が一転涙する。

 

どうせここまで来たら、手術もしちゃったんだよね、大変だったんだよ~的なエピソードにしたいじゃない。今後、医者にかかったときの最初の問診に手術歴アリとか、書けるくらい爪痕残せやと。

 

こちらも、なかなか上手くいかないようで、穴の開いた首に管を刺したものの、静脈にうまく刺さらない様子。

首の中に管が入った感じはあるのですが、そこからあっちにグリグリ、こっちにグリグリ、また抜かれたり刺されたり、これまた、結構時間がかかっていました。

その時、ビクッと肩から肘を通って小指まで電気が駆け抜けました。

どうやら神経に触れたらしいです。

あまりの痛さに、首の痛さどころではありません。

 

本来、痛いと感じるべきところより別のところが辛くて、本来のところの痛さがよくわからないって、、、

これって、さっきの尿道カテーテルとおんなじパターンやないか~い。

 

「こんなに大変なのに、手術歴に入らないなんて」

とさっきの医者に恨み言を言いました。

 

漸く静脈にカテーテルが入ったらしいです。

かなり時間がかかりました。

 

「腕の痛みは強くなってない?」との問いに、

「強くはなってない」とは答えたものの、かなり体力を使い、ぐったり。

手足が動かない人がぐったりしているのって、表情以外から見て分かるのかしら。

 

「ごめんなさい、もう一本挿しますね」

さらに、もう一本カテーテルを挿さないといけないとのことです。

こっちは、動脈に挿したようで結構深くまで刺さっている感じです。

 

これを、Aラインと言い、動脈に挿したカテーテルから血圧や脈をモニタリングするのに使います。

ハイ、ここ~、何かのテストに出るから覚えておくように。

そしてこのAライン。引き抜くと血が吹き上がります。さすが動脈。

やってみると分かります。

ただ、やらないことをお勧めします。

 

医者と看護師が僕の次の行先について話していました。

どうも次は、ICUに行くらしいです。

 

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