ギラン・バレー発症の記憶9
タケです。
血漿交換の開始からです。
まずは、首から飛び出している管に、注射器の様なものをつなげて、血を抜き取ります。
そして、その血を布のようなものの上にちゅ~って出します。
って、何、そのちゅ~って。無駄遣い??僕の貴重な血を。
と言っても血漿交換は血液浄化法の一種。不浄の血ですけど。
ファンタジー好きには、敵味方区別なく襲い掛かる狂戦士的な血って言いましょうかね。
そのちゅ~儀式の後、機械から伸びている管に首の管をつなげます。
こんな体験二度とできない。記録に残すべし!!
っと思ったので、丁度、子供たちを一時的に看護師さんに預けてきた妻に、写真を撮ってくれるように頼んでみました。
しかし、却下。。。
不謹慎だとか言って、断られてしまいました。う~ん。
このことが、後日ちょっとした騒動?に繋がるのですが、それは後ほど。
妻は子供たちのところに戻っていき、グィーンといった鈍い音とともに、血液が首から機械に抜き出されます、そして血漿を取り出して代わりの何か(多分血漿かアルブミン)を入れてまた首に戻っていきます。
何となく、体中の血流を機械で流されている様な感じがしました。
特に、末端の手や足の血の流れを感じました。
血漿交換は、2~3時間くらい。
その間、出来ることと言ったら、目を閉じるか開くことくらい。あと独り言。
手も足も動かず、首も動かせずなので、何も出来なかったのです。
何をするでもなくただ看護師さんたちを遠目に眺めてました。
時計も目に留まるところに無いため、時間すら分かりません。
そして、血漿交換が終わりました。
血漿交換のせいで血圧が下がったのでしょうか、それとも神経の損傷が進んだのでしょうか、体がだるく、力が入りません。意識も少し朦朧としていました。
そんな中、妻がまた戻ってきました。
ちょまが待っている間に看護婦さんと一緒に作ったという作品を持って。
赤い画用紙に、折り紙で折った兜などが貼ってあり、
「パパがんばって。パパだいじょうぶ。」
と息子の字で書かれていました。
息子よ、パパは頑張るぞ。絶対元気になるからな。
意識が朦朧としていたのを、繋ぎとめてくれました。
しっかりしなきゃ。
ちなみに、のんも同じように看護婦さんと一緒に何か作品を作っていたらしいです。パパを元気づけようねって。
ただ、どうも作っているうちに気に入ったらしく、持って帰ると言ったそうな。
。。。娘よ、当初の目的を見失っているぞ。
それは、パパのために、、、何も言うまい。
視界に時計がないため、時間が全く分かりませんでしたが、妻曰く、子供たちも病院に来て7時間ほど経っていて限界。
長崎から、お義母さんが文字通り飛んで来てくれたので、一緒に帰るとのこと。
お義母さん、バス飛行機電車と乗り継いで、遠いところに有難うございます。
朝、救急車で運ばれたのを妻が連絡したところ、早速来てくれるなんて有難すぎます。
仕事をするつもりで、救急車に乗るときに、妻に念を押して荷物に入れてもらったパソコンを持って帰ってもらうことに。
ICUに来る前に、色々と検査されながら、どのくらいで治るものなのかを聞いてみたところ、1ヶ月の人もいれば、1年以上かかる人もいる。
会社には取り合えず、1ヶ月以上かかると伝えておきなさいとのことでした。
救急車に乗るときは、1週間くらいの入院をイメージして、
病院の中から仕事の調整をあれこれしなきゃ、と考えていました。
あれの代役立ててもらって、あれは少し待ってもらって、、、
しかし、1ヶ月以上と聞いて、頭が切り替わりました。
仕事のことは忘れよう。いなくなったと思ってもらうしかない。
また、大丈夫、治るよと何度も言われたことから、治らない場合があることも推し量られました。
妻が帰る前に、会社関係への連絡を頼みました。
今日はもう遅いから、今日ではなくてよいが、月曜日になる前に連絡しておいてほしいと伝えました。
連絡すべき相手と、それぞれへの内容と連絡手段を伝えます。
とある会社から別の会社に出向しているという特殊な状態であったので、出向先の会社と出向元の会社双方に連絡が必要です。
初めて話す相手ばかりな上に、しかも休日にいきなりの話題。
大変だとは思いましたが、こういう時に安心して任せられる妻でよかったと思いました。
妻が帰り、いよいよ、入院生活が始まったと感じました。
ナースステーションのド真ん前で、頭を少し上げた状態で寝ている僕ですが、
体が動かないので如何せん、何もすることが出来ません。
看護師さんたちは、こちらが呼ばなくても時々近づいてきては、のどに変な感じはないか、つばを飲み込みにくいとか、息をしにくいとかはないかと聞いてきます。
人工呼吸器をつけるべきかどうかを確認している様子。
心なしか呼吸は浅い気がしますが、悟られると、人工呼吸器をつけられるに違いありません。奴らはチャンスを狙っています(笑)
まぁ、実際まだ問題になるほどではない。
ただ、症状が進めば息が出来なくなるかもしれません。
明日の朝、どうなっているんだろう。
思ったより、冷静でいられるもんだなと思いました。
これって、昔スカイダイビングしたときの心境ににているかもと思ったりします。
体が動かない為、出来ることがない。
一人しりとりでも、と一瞬思った自分に笑いました。
朝からあったことを思い起こしながら、子供たち救急車楽しんだかなぁ、などと考えました。
救急車を呼ぶ前に準備を終わらせるように妻に指示したのは、我ながらナイスな判断だったとほくそ笑む。
ピンチの時には却って頭がクリアになるものかも知れません。
色々考えながら、少し休むことにしよう。
目が覚めた時にすぐに見えるようにメガネはかけたままで。
さて、その時に息が出来ているだろうか。。。
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